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なぜ今、採用が難しいのか?

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他社にドライバーが流れる本当の理由と、今知るべきドライバー採用市場のリアル

日々、採用活動に奮闘されている経営者・採用担当の皆様へ

「求人広告を出しても、まったく応募が来ない…」
「面接の約束をしたのに、当日連絡なしでキャンセルされてしまった…」
「大分県内でも、他社にばかりドライバーが流れている気がする…」 

トラック・バス・タクシーなど、人やモノの移動を支える企業の経営者様や採用担当者様から、このような切実なお悩みを伺う機会が本当に増えました。少子高齢化が進む日本において、労働人口の減少はどの業界でも共通の課題ですが、特にこれらドライバー職を抱える業界における人員不足は一段と深刻さを増しています。「うちのような小さな会社は、知名度がないから選ばれないのだろうか」と、自社のブランド力や規模のなさに原因を求めて、肩を落とされてはいないでしょうか。 

しかし、まずお伝えしたいのは、「応募が来ないのは、御社の知名度が低いからではない」ということです。

現在、ドライバー採用がこれまでにないほど激化している背景には、単なる少子高齢化の枠にとどまらない「市場の構造的な変化」があります。つまり、従来のやり方で採用できないのは、御社の魅力不足のせいではなく、求職者を取り巻く環境やルールがガラリと変わってしまったからなのです。

本コラムでは、大分県内のドライバー採用に取り組む企業がこれから「選ばれる企業」へとステップアップしていくために、まずは現在のドライバー採用市場の全容を、客観的なデータや最新の法改正の動きを交えながら紐解いていきます。市場の「今」を正しく理解することが、採用成功への第一歩です。ぜひ最後までお付き合いください。

求職者1人を4社で奪い合う?データで見る「超売り手市場」

現在の採用市場がどれほど激しい状況にあるのか、具体的な数字から見ていきましょう。

採用の難易度を測る代表的な指標に、厚生労働省が発表している「有効求人倍率」があります。これは、求職者1人に対して何件の求人があるかを示す数値です。

全産業(すべての仕事)の平均有効求人倍率が1倍強で推移しているのに対し、自動車運転の職業(ドライバー)の有効求人倍率は、常に全体平均の2倍から3倍以上という非常に高い水準を維持しています。 

大分県内においてもこの傾向は顕著です。地域によっては「ドライバーの求職者1人に対して、4社〜5社の企業が奪い合っている」という、極端な「超売り手市場」が発生しています。

このデータが意味することは明確です。

求職者側から見れば、「いつでも、どの会社でも、自分の好きな職場を選び放題である」という状態です。

これまでは「求人を出せば、仕事を探している人が見つけて応募してくれた」かもしれません。しかし、これだけ選択肢が豊富な時代になると、求職者は数ある求人票をシビアに比較検討するようになります。知名度のある大手企業であっても、市場の変化に合わせた情報発信ができなければ、簡単に競合他社に埋もれてしまうのが今の採用市場のリアルなのです。

改善基準告示(いわゆる2024年問題)とドライバーの労働環境の変化

ドライバー採用を語る上で、避けて通れないのが「2024年問題」です。

 これは、トラック、バス、タクシーなどのドライバーの時間外労働(残業時間)に、年960時間という上限規制が適用されたこと、および「自動車運転者の労働時間等の改善基準告示」が改正・適用されたことを指します。法改正から時間が経った今、これまでの働き方は本格的な見直しを余儀なくされ、現場での対応差が浮き彫りになっています。 

具体的には、以下のようなルール変更がなされています。

    • ●拘束時間の短縮1日および1ヶ月の拘束時間の上限が引き下げられました。
    • ●休息期間の延長:勤務と勤務の間のインターバル(休息期間)が、これまでの「継続8時間以上」から「継続11時間以上を基本とし、継続9時間以上」へと延長されました。
    • ●連続運転時間の制限4時間走ったら20分〜30分の休憩を入れるといった、これまで以上に厳格な運行管理が求められるようになりました。

これにより、多くの企業が「これまで通りの運行スケジュールでは回らない」「1日に運べる荷物の量が減ってしまう」という壁にぶつかっています。 

しかし、ここで注目すべきは「ドライバー(求職者)側の意識の変化」です。

法改正により、業界全体で「長時間労働の是正」や「休日数の確保」が強制的に進められることとなりました。その結果、求職者が仕事を探す際、単に「稼げるかどうか」だけでなく、「法律を遵守し、自分の健康やプライベートを守りながら長く働ける環境かどうか」をシビアにチェックするようになってきています。

「昔ながらのガツガツ稼ぐ働き方」を求めるドライバーが減少し、「クリーンで安心できる働き方」を求める層が確実に増えている。この労働環境に対するニーズの変化こそが、採用激化の背景にあるもう一つの大きな要因です。

知名度は関係ない!採用に成功する企業が始めている「環境改善」

では、この激変する市場の中で、人員不足に悩む企業と、しっかりとドライバーを確保できている企業の間には、どのような差が生まれているのでしょうか。 

多くのドライバー求人サイトにおける求職者の動向や成功事例を見ていくと、採用に成功している企業は、知名度の高さに関係なく「時代の変化に合わせた環境改善」にいち早く着手しているという共通点があります。

人員不足に陥ってしまう企業は、往々にして「うちは昔からこの勤務体系だから」「業界の相場はこんなものだから」と、既存のルールを変えることに消極的になりがちです。しかし、前述の通り、求職者は「安心・安全に働ける環境」を必死になって探しています。 

そこで、先進的な取り組みを行う企業は、以下のような「環境改善」を推進しています。

    • ●デジタルの活用による業務効率化:配車管理システムや動態管理アプリ(バス・タクシーなら予約・配車システムやナビアプリなど)を導入し、ドライバーの無駄な待機時間を削減する。
    • ●柔軟な働き方の導入:「週休2日制」の選択肢を設けたり、夜勤なしの日勤のみルート(またはシフト)を新設するなど、多様なライフスタイルに合わせた雇用形態を用意する。
    • ●評価制度の見直し:労働時間が短くなっても、効率よく安全に人やモノを運んだドライバーが正当に評価され、給与水準を維持できるような仕組みを作る。

こうした環境改善は、一見するとコストや手間がかかるように思えるかもしれません。しかし、これらはすべて「他社との圧倒的な差別化ポイント」になります。 

「超売り手市場」ということは、裏を返せば、求職者のニーズ(クリーンな環境、無理のない勤務・運行)に寄り添った社内体制へシフトできさえすれば、それだけで競合他社の一歩先を行くことができるという、最大のチャンスでもあるのです。大手企業と同じ知名度を持つ必要はありません。「うちの会社は、ドライバーの働きやすさをこれだけ真剣に考えて、実践している」という事実を、市場の変化に合わせて作っていけるかどうかが、今もっとも問われています。

市場の構造変化に対応し、差別化のチャンスを掴むために

今回の内容をまとめます。 

  • ●現在のドライバー採用は、有効求人倍率が極めて高い「超売り手市場」である。
    ●採用できない原因は「自社の知名度不足」ではなく、「市場や求職者ニーズの構造変化」に対応しきれていない点にある。
    ●法改正に合わせた「労働環境の改善」に前向きに取り組む企業こそが、これからの時代に選ばれ、他社と圧倒的な差別化を図ることができる。

 市場が目まぐるしく変わる今、これまでの常識や採用手法のままでは、どれだけ求人広告を出しても素通りされてしまうのは当然と言えます。しかし、変化の理由が分かれば、次に打つべき手も見えてくるはずです。 

今回の「総論」を踏まえ、次回(第2回)のコラムでは、大分県内におけるさらに具体的な求人市場の「データ分析」を行っていきます。

「大分県内のドライバー求職者は、具体的にどんなキーワードで仕事を探しているのか?」

「他社は今、どのような条件で募集をかけているのか?」

といった、より一歩踏み込んだ市場の裏側を数字で解き明かしていきます。自社が次に目指すべき方向性をクリアにするためにも、次回の記事もどうぞお見逃しなく!

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