木造建築が弱いなんて、もう古い?日々アップデートされ続ける、木材の可能性とは。

今回は、鹿児島の魅力ある企業をご紹介。図南木材株式会社、代表取締役の田之頭隆文さんへインタビューしました。親子三代で連綿と紡いできた、木材にかける情熱とは?

図南木材株式会社
田之頭隆文さん

Q.貴社の成り立ちを教えてください。

創業者の祖父が、終戦後焼け野原となったふるさと鹿児島の復興のため、材木店を始めたのが当社の始まりです。当初は、丸太から木材を切り出す、製材を行う会社でした。その後2代目の父が受け継ぎ、木造建築で使用する構造材を機械加工するプレカットという事業を始めました。
私が代表取締役に就任した11年前から、木材以外の建築資材の提供を開始。これによって製材から木材加工、防腐処理、そして配送まで自社一貫で行える体制が整いました。

「木に付加価値をつけてお客様へ提供する」という信念は、たとえ代が替わろうともブレることはありません。

Q.木材の可能性についてどのように考えていますか?

最近では、コンビニエンスストアや大手のファーストフード店等、みなさんの身近なところで、住宅以外の木造建築物が増えているんです。
『木造建築』と聞くと災害に弱いイメージを持たれる方もいらっしゃると思いますが、木材の弱点であった耐火性や耐震性については近年の技術革新によってなんら問題はありません。

木造建築は、日本の豊富な森林資源の有効活用に繋がるとともに、環境配慮や脱炭素への関心が高まっている近年の時代背景から、成長分野として再注目されています!

当社でも、県内の神社仏閣や納骨堂、施設、店舗等に携わり、県外では複合施設や畜舎等、非住宅分野の木造化の実績があります。
引き続きこの波に乗り、省エネで環境にも良い、鹿児島県産の木材を使用した木造建築を推し進めていきたい、そう考えています。

Q.創業以来『木材』を取り扱う会社として、今後目指すべき姿とは…

当社では、『木材』をどうやって世の中に活かしていけるか、『木材』を建築物だけでなくいろんな場面で活用できるのかという視点で、様々な取り組みを行ってきました。

工場の製造過程で出てくる端材(木材の使わない部分)を再利用し、家具や雑貨を製作しています。それら木製品をオンラインで販売したり、木育活動で使用したりと、資源の有効活用をするとともに、人と木材の触れ合いのきっかけを提供しています。

直近では、建築現場で木材を組み立てる作業を当社の作業員が行う事業や建築物の性能評価のサポートを行う設計支援の事業を本格的に進めています。そして、木育活動をより多くの人や地域に届けるため、社内の有志を募り、委員会も設置しました。

当社の事業展開には、建築事業者の業務負担の軽減だけでなく、木造建築の担い手である職人の技術継承や日本伝統の木造建築を守っていきたい、そして、多くの人に『木材』の良さを知ってもらい使ってもらいたいという、未来への想いがあるんです。

長年『木材』と向き合ってきた分、図南木材にできることはなにか、と常にお客様の要望や課題を追求し続け、挑戦し続けています。
ですから、新しいことにチャレンジできる、一緒になってアイデアを出してくれる、そんな方と働いていきたいと思っています。

Q.最後に、学生・求職者にメッセージをお願いします!

実は私自身も、高校卒業後は関東の大学に通いそのまま就職して、Uターン転職で鹿児島に帰ってきた者です。
みなさんが知らないだけで、地方にも面白い中小企業がたくさんあります。ネームバリューも大事ですが、見えにくい仕事にこそ魅力が詰まっているものです。探せばきっと、鹿児島にも面白い仕事ができる企業はたくさんあるはずです。

地域に貢献して働きたい、地元鹿児島に戻りたいと考えているなら、ぜひ鹿児島に帰ってきて、地域に根ざした良い会社を見つけてもらえたらなと思います。