「Webマーケティング」と「ジビエ」。異なる2つの事業を展開する珍しい会社が、鹿児島で挑む未来とは。

今回のテーマは、「経営者インタビュー」。鹿児島でWebマーケティング事業とジビエ事業を展開するダブルビーゼット株式会社の代表取締役・馬場添 佳さんにお話をお聞きしました。生まれも育ちも東京の馬場添さんが、奥様の故郷である鹿児島にビジネスとプライベートの拠点を移した理由、異なる2つの事業を展開する理由について迫ります。

ダブルビーゼット株式会社
代表取締役・馬場添 佳さん(1985年生まれ)

Q.創業のきっかけについて教えてください

もともと独立志向があって、自分で何かをしたいと思っていたんです。大学卒業後、証券会社、IT企業で経験を積み、独立。2018年に東京でダブルビーゼットを設立しました。前職での経験を生かし、創業以来、Webマーケティング支援を中心に新規事業の立ち上げやWeb制作など、様々なコンサルティングを行っています。

Q.御社の事業の特徴・強みは?

「クライアントの課題を解決すること」
広告の運用、Webサイトの制作はあくまでも課題解決の手段。サイト改善やWeb制作、広告運用、施策の提案など、トータルで支援していくのが当社の強みです。

Q.奥様の故郷・鹿児島へUターンすることを決めたきっかけは何だったんでしょうか?

コンサルティングだけではなく、自分たちでモノを売る事業をしたいとずっと思っていました。考えていたのは、食に関する事業。人は食べものがないと生きていけません。だからこそ、食の事業は強いと思ったんです。そんなとき、妻の実家がある鹿児島に1ヶ月くらい滞在し、鹿児島は食材の宝庫だということに気づきました。牛、豚、鶏、魚、野菜、果物など何でもありますよね。食の事業を始めるなら鹿児島がいいんじゃないか。そう思ったんです。
最初は農業を始めようと思ったのですが、たまたま鳥獣被害の話を耳にして、ハッと気づいたんです。野生のシカやイノシシを仕入れて販売するのはどうだろう、と。それがジビエ事業の始まりでした。
そして、2021年に家族で鹿児島へのUターンを決意。コロナ禍でリモートワークが当たり前になったこともあり、スムーズに本社を移転できました。

Q.今後、鹿児島でどんな未来を描こうとしていますか?

ジビエ事業では2024年にさつま町と立地協定を締結。2025年4月からはジビエ処理加工施設「さつまのジビエファクトリー」の操業を開始し、通販事業もスタートさせました。さつま町が抱えていた鳥獣被害の問題を解決するだけでなく、町の特産品として生まれ変わらせる。大きな挑戦だからこそ、やりがいも大きいです。
Webマーケティングとジビエという、一見すると真逆に見える事業ですが、相乗効果はとても大きいです。ジビエのECサイト販売においては、Webマーケティングで培ってきた知見・ノウハウが存分に生き、逆にジビエ通販で得たノウハウをコンサルティングの方に生かすこともできます。今後はジビエ肉を売るだけでなく、飲食店や宿泊施設の運営、狩猟体験ツアーなど、ジビエの周辺事業を伸ばして鹿児島に貢献していきたいですね。

Q.鹿児島にUターンしてよかったと思えることを教えてください

鹿児島は自然豊かで、とてものどか。おいしいものがたくさんあって、地元の野菜や魚が安く手に入ります。鹿児島の方にとっては普通なのかもしれませんが、東京出身の私にとっては驚きの連続。海も山もあって、自然と触れ合う機会が多くなり、子育ての面でも本当に来てよかったなと実感しています。
ビジネスにおいても、地方だからこそ注目されやすく、東京よりも輝けるチャンスが広がりました。
当社は今、ITにも一次産業にも携わるという新しい働き方に挑戦しています。自然とテクノロジーの両方に触れながら、未来の食と暮らしをつくっていく。これができるのは、鹿児島というフィールドがあるからこそなんです。
鹿児島だからこそ実現できた、自然とテクノロジーを掛け合わせた新しい挑戦。
のびのびとした暮らしが実現できるだけでなく、都市部で培った経験を生かしながら新たなキャリアを切り拓けるのも、この地ならではの魅力です。
あなたも豊かな自然に囲まれながら、自分の好きなことや得意を生かしたキャリアを始めてみませんか?